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スーザン・ケイン『内向型人間が無理せず幸せになる唯一の方法』まとめ


こんにちは。BlissBliss⋆*@テキトーでもうまくいくです。

スーザン・ケイン著『内向型人間が無理せず幸せになる唯一の方法』を読んだので自分なりにまとめて健忘録として残します。

内向型についての本は何冊か読んできたんですが、スーザン・ケイン氏の本書は中でもより突っ込んだ内容で非常に勉強になりました。

しかしそれを帳消しにするぐらいの情報量なので、ぜひ一読されることをオススメします。

ぜひぜひ購入の参考になれば。

外向型と内向型の違い

著者のスーザン・ケイン氏はアメリカ人なので、日本人には馴染みのない発想やアメリカンならではの『パーティ文化』や生活習慣の話も出てくるので、多少共感やイメージしにくいところもあります。

日本人の勝手なイメージとして、アメリカという国は国民全員が外向的(しかもパリピ)だと思っている節がありますが、おおよそ3分の1が内向型だと本書では伝えています。

内向型の人はアメリカでも案外多いのです。

ではなぜそう見えないのか。その原因の一つとして私たちが「内向型」「外向型」を区別する時の大きな勘違いが挙げられます。

その勘違いとは、内向型な人は同時に内気であると思っていること!

内気と内向型であることはノットイコールだそうで、内向型だからと言って全員が内気ではなく、その逆に外向型だからと言って全員が社交的でもないのだそうです。

内向型だからといって内気とも限らない。内気とは他人から非難されたり屈辱を感じたりすることを恐れる性質であり、内向性とは刺激が強すぎない環境を好む性質である。 p14. 序章 これほど違う二つの性格


あと、外向型と内向型を別ける大前提として、当ブログでも何度も触れてきた「社会や周りの人からエネルギーをもらうか、一人でいる時に充電するか」のタイプの違いによるものと考えれば納得できますね。

マーティ・O・レイニー『内向型を強みにする』より

内向型はひとりになることでエネルギーを充電し、外向型は十分に社会で活躍しないと充電が必要になる。
p14. 序章 これほど違う二つの性格 より

両者は根本的にエネルギーの受け入れ方が違うので、自分は一体どっちなのだろうと迷ったら、ひとりでいるときに力が湧いてくるか、多くの人と会うと力が湧いてくるか、と考えてみるとどちらか見えてくると思います。

消極法で考えるなら、この時間がなければ死んじゃう!と言えるぐらい重要なのはどちらでしょうか。

このブログでも度々登場している『内向型を強みにする』の著者である、マーティ・オルセン・レイニー氏は、さらにもっと突っ込んで、両者がどういう行動を取るのかは神経系に支配されていると例をあげ、

両者が取る行動の違いには「交感神経系」「副交感神経系」どちらの神経系が優先的に支配しているかによるものだとして、その辺についてさらにわかりやすく説明しています。

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仲良しグループで仕事が捗る!?「新集団志向」に物申す!

日本でもそうですが、私たちは子供の頃から集団で一つの作業をして結果を出すことを求められてきました。

あるテーマの課題を「班」で話し合い、班でアイディアを出し合い制作して発表する。部活や委員会でも同じ過程がありました。学校では何かにつけてグループ活動が多かったのは、社会に出て組織で働くためのいわば訓練。

チームワークに重きを置くのはアメリカでも顕著で、教育は集団作業なしでは成り立ちません。

著者はメインストリームとなっているグループ至上主義とも言うべき「新集団志向」は内向型のクリエイティビティを殺していると警鐘を鳴らします。

多くの学校や企業で取り入れているチーム制「新集団志向」がある。
ひとりでいたいと願う人間がいる。ずば抜けて創造的な人間は、後者に含まれている。
オープンオフィスは生産性を落として記憶力を損なうことが分かっている。スタッフ同士の衝突を生み、ストレスレベルが上昇する。
「新集団思考」に注意!創造性を求めるなら、ひとりで問題を解決してから全員でアイディアを共有する流れにすること。

社会生活を送る上で、特に職場では集団での活動は避けられませんが、さまざまな工夫をすることで内向型でもストレスなく組織全体の成果を上げることができるとしています。

では、内向型のクリエイティビティを落としてしまう環境とは何でしょうか。

一つは今、日本でも右にならえと海外の新しい就業体制「オープンオフィス」を挙げています。

言われてみれば、誰が得するのだろうと思えるレイアウトに疑問感じた日本人は多いのではないでしょうか。

いかにも海外の発想というか「一人で仕事してちゃさみしいでしょ?みんなで顔合わせて仕事しようZE!」みたいなお節介感。

自分の前後を行き交う人の流れが止まらず、隣と人とも仕切りがなくだだっ広いフロアが丸見え…なんて騒がしい席についてしまったらと想像するとゾッとします。

これに意を唱えるのはアメリカ人も同じようで。

個室デスクを設けて作業して最終面でグループで意見を出し合う体制にすれば仕事効率が上がること、一人で制作している時は周りの人がのぞいたりして横槍を入れないなど、著者の内向型向けの環境づくりの提案がされています。

内向型がされたら仕事の効率ダダ下がりのシチュエーションには思わず「あるある!」と言いたくなりました。

かの有名なアップルの創始者スティーヴ・ジョブスの相方でもあったスティーヴ・ウォズニアック氏は、いつも単独で行動することで有名でした。

早朝まだ暗いうちに家を出て、誰もいない職場に一人こもり、黙々と作業に没頭する数時間がどんな時間よりも一番パフォーマンスを生み出したと後に語ります。

彼独自が編み出した内向型の働き方によって、アップルの名品が生まれたと言っても過言ではないのかもしれません。

生きていくために外向型のふりをする内向型

 

あの人はいつも人に囲まれて活動的だと思われるような社交的な人ほど、実はかなりの内向型かもしれません。

どんな性格の子供であっても小さい頃からもっと外向型であれと教育されるために、生きていくために外向的な仮面=ペルソナをかぶるのだそうです。

あ〜私それかも!と一瞬でも思ったあなたは、まごうことなき内向型です。(笑)

持ち前の性格を超えて外向型に振る舞うことができる原動力は「コア・パーソナル・プロジェクト」というものです。

固定した特性と自由な特性は混在する。これを「自由特性理論」という。
私たちは特定の性格特性を持って生まれるが、自分にとって非常に重要な事には「コア・パーソナル・プロジェクト」に従事するとき、特性の枠を超えて外向型に振舞える。

自分で言うのもあれですが、私も子どもの頃から「外交的なフリをしているけど実はTHE内向型」なので、自分の行動は意味があるものだったのだと腑に落ちました。

そしてその「コア・パーソナル・プロジェクト」なのか判断する基準として、こんな環境下だったら誰でも自分の特性以上の力を発揮できるのだそうです。

* 自分が重要視する仕事である
* 愛情を感じている人に対しての行動である
* 高く評価してもらえる状況にある

そして、外向型のフリが上手い人は「セルフモニタリング」が上手なことが分かっています。

この「セルフモニタリング」とはその名の通り、自分の感情や言動を客観視しながら状況に応じて自分の言動をコントロールすること。

ただし、この外向型のフリをすることには注意点があります。

著者は、外向型に振る舞うことが自分を否定する行動にならないよう気をつけるべきだ述べています。仕事やその場の状況に応じて一時的に外向型になることはOKなのですが、 その動機が暗に自己否定になっているもの、つまり、こんな自分じゃダメだから外向型になる(フリをする)のはやめた方がいいってことです。

◯ 仕事や自分の活動のために一時的に外向型になる
× 今のままじゃいけないと自分を否定するために外向型になる

パートナーや友人が外向型だと大変である

お互いに無いところに惹かれるからでしょうか、外向型と内向型のカップルのケースは少なく無いようです。

外向型の旦那や彼氏がいると心が休まりません。

内向型の人って過去に一度くらいは、外交的の集まりの中で無理して合わせようとして空回りした苦い経験はあると思います。

私も数え切れないくらいあります。

著者のスーザン氏や、『内向型を強みにする』のレイニー氏も同じく、外交的に振る舞えずもどかしい思いをして自分が情けないと感じたことがあると言います。

海外のパーティに行ったことがありまして、厳密に言うとカナダのトロントですが、カナダ人の友人に連れ回され、クラブやバー、ライブハウスなどに行ったのですが、まあビビりまくって情けない思いをしました(笑)

友人から紹介されてもろくに目も合わすこともできず、(英語が苦手だったというのもありますが)

後になって、Blissは私たちのことを嫌いなのかと聞かれたと友人からキレられました。

もっと明るく楽しそうに振る舞えってことでしょうか。

友達が連れてきた変なアジア人がオドオドしていたらそりゃ変に思うのも仕方ないかもしれませんが、陽キャには最初からロケットスタートよろしくテンション上げていかないと通用しないようです。

外交的な友人は、内向型には思いもつかない方法で友達を作るのが上手で、会うたびに違う仲間を集めてワイワイするのが何よりも大好きなようです。

これは外交的な友人(恋人)を持った人あるあるだと思うのですが、

「友達と飲むから行こうよ!」と毎回知らない人が来る飲み会に放り込まれたりするのです。

友達の友達なんて「他人」なので、面と向かって飲もうにも気まずくて会話も出てこないものですが、それでも頭をフル回転して話をじゃんじゃん振っていたせいか、すごい外交的な人だと思われていました。

私も内気ではないので、友達と会ったり飲み会をして仲を深めるのは嫌いじゃないのですが、内向型の弱点である大人数だったり不特定多数の他人が入ったりすると神経を使いました。

おかげで家に帰るとドッと疲れが出てしまい、これが繰り返されると付き合い自体が面倒になり、パタリと集まりに行かなくなるのです(笑)

どうやら私はセルフモニタリングが得意なようです。

自分の周りを「スイートスポット」にする

自分の好むレベル(最適な覚醒レベル)に自分自身を置くと、今よりももっとエネルギッシュで生き生きとした人生が送れる。著者はこの「最適な覚醒レベル」をスイートスポットと名づけた。
あなたのスイートスポットは、あなたが最適の刺激を得られるところ。
読書したり、まったりとハンモックに横たわっているところ、そこがスイートスポットだ。
仕事も趣味も社交もすべてスイートスポットに合うように設定すればいいのだ。
スイートスポットを知っていれば、自分を消耗させる仕事や環境から離れることが出来る。


自分にとって一番仕事が捗るところはどこでしょうか。

こんな所だったらスイスイ出来るだろうな〜と思う環境を想像してみてください。

ハンモックは無理かもしれないけど、ゆっくりくつろげる所はこんな場所だとイメージして、なるべくその環境にいると良いかもしれません。

著者は自分の周りを全部スイートスポットに合うように設定する、つまり自分が心地よくいられたり、自分がありのままで能力が発揮できるような場所に自分の身を投じれば良いということです。

裏を返せば、ストレスやフラストレーションが溜まる環境にいたり、自分の思い通りにならないといるならその場所は自分のスイートスポットではない、と断言できます。

おそらく、内向型の人って自分に合うか合わないかを察知するのが上手だと思うので、いまいる環境が合わないと感じたら辞めたり離れるなどしたほうが良いかもしれません。

そのような場所は黙っていても突っ立っているだけで自分のエネルギーを消耗させるからです。

「顔赤いよ?」内向型の赤面がすぐバレるわけ

内向型は特に、ちょっと人前に出ただけで顔が赤くなりやすく、赤面がバレてしまった経験は何度もあるはずです。

内向型は発汗量が多く皮膚が薄いという研究データがあるようです。

ドキッとしたあなた、多分皮膚が薄いかもしれません。

もちろん私も体中の皮膚が薄いです(笑)

一方、やはりというか、外向型は皮膚が厚い傾向があるそうで、外部からの刺激に鈍感という結果でした。

刺激に鈍感ということはつまり外部からのストレスに強い証拠でもあります。

アクティブで積極的に人と関わって人前に出て行く人って、確かにお肌がプリプリな印象ってありませんか?

内向型が”充電”できるところをたくさん作ろう!

 

毎日繰り返される社会生活は内向型にとって、どんなに活動的であったとしても外の環境に身を置くだけでジワジワとエネルギーを消耗してしまいます。

さらに職場や集団活動の場などで「外向的モード」に切り替えると電池の消耗がうんとアップ!持ち前のエネルギーだけではすぐ枯渇してしまいます。

著者は、自分の性格に背いて行動する最大の秘訣は、出来る限り本来の自分のままでいることであるとして、自分の気力体力を回復する場所の重要性にも触れています。

喧騒から離れた公園の中の一角にある涼しい木陰のベンチ、ヨガや瞑想にふけったり、

会うのがめんどくさいので代わりにメールで済ます、といった省エネモード的な行動に切り替えるでもOK。

一人になれなかったらオフィスの扉を閉める、ということでも回復の場所を確保できるとしています。

コツはなるべくたくさん作ること。

スイートスポットはゲームで例えるなら「セーブポイント」のようなものでしょうかね。

経験則から私も今までにたくさん回復ポイントを確保していて、体力・精神力を消耗してしまう「メンドクサイ行動」を省エネモードに切り替えることは常日頃からしています。 今はメール以外にも、リモートで仕事を完結できる環境が整っていますし、内向型にとっては追い風が吹いていると言えます。

自分が内向型だと知る以前は、弱メンタルで体力もないくせに大人数の中に飛び込んでいくことを繰り返していたせいで、聞いたこともない感染症にかかったり、風邪でもないのに熱を出したり、しょっちゅうお腹を壊したりと、良く体調を崩していました。(笑)

今思えば、あれは自分の許容範囲を超える負荷をかけていたために、ストレスで体が悲鳴を上げていたのだと思います。

自分がそういうタイプだと分かった今では、あえて人間関係に揉まれるようなところは行かないですし、そういった環境も避けることができます。

内向型の必読書

「報酬志向と脅威志向」についてや、「内向型の子供への才能の育て方」などは内向型の子供を持つ人なら目を通しておきたい内容となっています。

外向性や内向性が生まれ持った素質なのかどうかについての考察や、内向型の赤ちゃんがどのような成長をしていくかなど、さまざまな角度から内向性について触れているのでとても勉強になりました。

今まで大人数で仕事をするのが当たり前だった日本の労働環境に、コロナの流行によってメスが入りました。

テレワークは政府の後押しもあって一般的にも浸透してきていますし、旅行をしながら仕事をするワーケーションという働き方も生まれています。

さらには、テレワークによって出社の必要もなくなったのでこれを機に地方に移住する人も急増しているとか。

長い通勤時間をかけて一斉に出社して、みんなでデスクを並べてピリピリとした空気の中で仕事をする時代じゃなくなっているし、旧時代の働き方を強要する会社があったとしたらこれからは求心力がなくなるでしょう。

一人または少人数で自分だけの快適な空間を作りながら働くこれからの時代は、内向型にとっては願ってもいないチャンスがやってきたように思います。

著者のスーザン・ケイン氏はアメリカ人であり、それなりに成功を収めてきた人だからこそ、内向型ならではの苦悩も計り知れない。

勝手なイメージですが、アメリカは国民全員パリピなんじゃないかってくらい、外向的な人が多いのではないかと。

外交的「じゃない人」にとって、社会でそれなりにやって行くには相当な努力をしなければいけないだろうなと容易に想像できます。

前述の「セルフモニタリング」なんて言葉が生まれる背景にはこんなお国柄もありそうですね。

アメリカ社会特有の「パーティ文化」では夫婦同伴でいろいろなパーティに出席しなくちゃいけない場がストレスだったと語っています。

幸い日本では、品行方正で落ち着いた行動を取ることが良しとされている文化もあり、内向型が悪目立ちすることはありませんが、それでもやはり社会は外交的であることを求めており、もっと自分をさらけ出して外交的に振る舞うべきだと考えている人は多いです。

本の最後で著者は、「人生の秘訣は、適切な灯りのなかに自分を置くことだ。ハリウッドのスポットライトがふさわしい人もいれば、机に置いたスタンドがふさわしい人もいる」と、多種多様な人の特性を認めるべきだと伝えています。

ではでは。

本書の帯には、DaiGoさんが激推しと書いてありました。YouTubeやニコ生などでとても精力的に啓蒙活動をされているDaiGoさんですが、彼自身も自身は内向型であると話しています。 もっと海外みたいに内向型のリーダーがじゃんじゃん出てきてほしいですね。