性格診断テストのエニアグラムではタイプ7の「熱狂的な人」、16性格診断ではINFPという悩みがなさそうに見られやすいタイプの私ですが、
むしろ悩みは尽きることがなく人一倍頭の中で思案するタイプで自分では内向型だと思っています。
情熱だけは人一倍あるのにアウトプット、つまり行動しようとすると途端に体力が続かず長続きしないなんてことがあります。
頭の中ではやりたいことがたくさん溢れているのに体が思うように動かないー
このジレンマが大きければ大きいほどストレスに感じて消耗する。そしてさらにしてしまうのです。
人前に出てマルチにこなしているあの人のように強靭な精神力があればもっとうまくいくのに・・
もっと社交的だったら人間関係も仕事もうまくいくのに・・
私も長年自分の体力のなさに辟易してきましたし、モチベーションも続かない時は自分を責めたりもしました。
しかし、もしこの性質が持って生まれつきの体質だと断言されたらどう思いますか?
バイタリティがないのは別に気合や根性が足りなかったわけじゃないということ。
ちょっと救われる感じがませんか?
↓そんな内向的かもな人に救いをもたらしてくれる本がありました。
内向型と外交型は脳や体の使い方がまるで違う
何となく自分は社交的だから外向型だ、一人が好きだから内向型だ、そこまではみんな分かる。
でもじゃあその根拠は?内向型って何が内向型なの?と聞かれると私たちは漠然と性格の違いによるものとしか答えることができきないかもしれません。
「外向型」と「内向型」は脳や神経の使い方からして全く違うと知ったら驚くはずです。
著者のマーティ・オルセン・レイニー氏は科学的な根拠に基づいて外交型と内向型の脳の使い方の違いについて分かりやすく説明してくれます。
どうして外向型は落ち着かず周りをキョロキョロしているのか。疲れていても休みの日に予定を埋めて外へ出たがるのか。、
はたまたどうして内向型は一人の時間を持てないと消耗するのか、小さいことに色々考えて決断が遅くなるのか。
そうなってしまうにはちゃんとした理由があったんです。
レイニー氏は両者の脳の使い方の違いをドーパミン、アセチルコリンなど「脳内伝達物質」という聞きなれない言葉を使って具体的にどう違うのかを説明してくれます。
脳の短い通り道を経て答えを出す。
→ベースとなっている神経系:交感神経系「興奮」
内向型の心と体:脳内伝達物質アセチルコリンを使いがち。
脳の長い通り道を経て答えを出す。
→ベースとなっている神経系:副交感神経系「抑制」
何で両者はこれほど違うのかは実はちゃんと科学的に根拠があったことを知ることになりました。
内向型の人はものごとに思案しやすく、レイニー氏が回答に時間をかけていると旦那様から「何ですぐ答えられないわけ??」とイラつかせてしまった話からも、これが
また、興味の向き方にも違いが。
外向型は灯台のように外へ、内向型はランプのように内側へ関心がいくことに加え、体力やエネルギーのチャージの仕方も外向型はソーラーパネルのようにエネルギーを蓄えるのに対し、内向型は充電式電池のようにエネルギーを蓄え消費していく。
これだけ根本的に作りも仕様も違うことがすごく分かり易く説明されて腑に落ちました。
作りも働く仕組み違うということは内向型の強い人が無理やり外向型社会に馴染もうとしても無理の一言に尽きるわけで納得の一言です。
内向型は人間嫌いはウソ!?
自身も内向型であると主張するレイニー氏は内向型に対する偏見をバッサリ否定しています。
内向型の人に対するもう一つの大きな偏見ー内向型は社交嫌いだという考えだ。 内向型の人々は非社交的なわけではない。 ただ違うかたちで人と交わっているだけなのである。
そうそう。人に対する接し方が違うだけど何も人嫌いなわけじゃない。
私も含め、完全に人嫌いな内向型のタイプの人には会ったことはないです。ただ人間関係に対して大人数が苦手なだけで仲のいい人が2〜3人いればいいという考え方なのは一致していますね。
誰に対しても明るく積極的に見えるけど実は内向型なタイプは多いと思います。
外向型がたくさんの人と触れ合うことにテンション上がる(氏は”快感のヒット”と呼ぶ)のに対して、内向型は自分にエネルギーを与えてくれる中身の濃い会話をしているときにテンション上がるのです。
この明快な回答に思わず「それそれ!それが言いたかったんだ!」と長年のモヤがスッキリ取れた感じを覚えました。
外向型・内向型・バランス型?
さて、じゃあ自分は外向型なのか内向型なのか。
巻頭にある診断テストで自分がどちらのタイプなのかが明らかになります。
私も診断の結果「外向型でもあるし内向型でもある中間タイプだがどちらかといえば内向型になる」という結果に。
自分が思うほど内向型ではないという結果にほっとしたような意表を突かれたような。
完全な内向型や外交型はむしろ少ないそうで、外向型でもあるし内向型でもあるバランスのとれた人は割と多いのかもしれませんし理想とも言えます。
元来は内向型だけど社会に出るうちに自主的に外と関わるようになったり、逆に、外交的な特性が強い人がちょっとした挫折で自分の内側と向き合うようになったり、
一概に「自分は内向型だ」と決めつけてしまうよりは、変えようと思えば周りの環境に合わせてある程度柔軟に対応できると考えておけばいいのかも。
また内向型の中でも直感や感覚を使う「右脳派」、理論や情報を使う「左脳派」に分けられるとのことで、
INFPの私は迷わず右脳派に当てはまりました。
中間タイプの注意すべきところは、両方の面を総合的に見て広い視野が持てる反面、フリーズ、つまりその間で立ち往生してしまうことがあるとのこと。
外向型な側面も内向型な側面もあるということはトクに見えますが、周りが外向型ばかりの中にいると内向型な側面が顔を出し居心地が悪くなる。逆に大人しくこもってばかりいても居心地が悪くなる。
バランスが取れているからこそ「ちょうど良い環境」を見つけるのに難儀するのかもしれないと解釈しています。
うん、これには目からウロコが落ちまくりです。
個人的にどこに行っても居心地悪く感じたりすることあるのはこの性質のせいだったのかと納得しました。
もう罪悪感はいらない!内向型仕様を受け入れる
自身は内向型であるというレイニー氏はこともあろうかバリバリ外向型の旦那様をお持ちで、結構振り回されちゃっているエピソードが出てきます。
内向型の奥さんからしてみたら休む間もなくしてしまうのと同様、外向型のパートナーからしてみたら「何でこんなに腰が重いの??」とイラっとしてしまうかもしれません。
周りの刺激に圧倒されて思考停止に陥りやすい内向型。
外向型が良しとされる社会でどうやって切り抜けて行ったらいいのでしょう。
レイニー氏は内向型が外向型社会で自分を守るには元気な時間と疲労のサイクルを理解することだと伝えています。
もっとも集中力が高まるのは、午前中か午後か
頭がもっとも疲れている、または、もっとも働かないのはいつか
運動や体を使いたくなる作業をしたくなるのは、いつごろか?
人と過ごすのが一番楽しいのは、一日のうちの何時頃か?
第3部自分にぴったりの人生をつくる より
内向型は充電式バッテリーのようにバッテリーから一定の量のエネルギーを使うような活動タイプなので、
一日のバッテリー量を見極めてどの時間に重要な仕事や用事を持ってくるかを自分で把握することが大事。
ペース配分を誤るとバッテリー切れで何を聞いても頭に入ってこなかったり、疲れてイライラしたり、私も身に覚えがありますが体が思うように動かず辛い思いをしました。
今では仕事や用事などに優先順位をつけて、充電が一番満タンで脳もパワフルな午前中を「ゴールデンタイム」としてその時間に重要な仕事などを割り当てることで効率的に動けるようになりました。(その代わり午後は本当に弱い・・)
レイニー氏は「内向型だからといって罪悪感を感じることはない」としながらもやはり外向型ありきの社会で生きていくために本の終わりでは「内向型のための疲れない処世術」を教えてくれます。
そのほかにも内向型の人の体のベースとなっている「副交感神経系」の特性に寄り添ったいたわり方なども参考になります。
ここまで科学的にそして具体的な内向型の本って今までなかったので「そうだったのか!」と腑に落ちるところが多くて読み終わった後自信が湧いてくる本です。
外向型な人も内向型な人も読んでみると内向型の体の特性と秘めたパワーに驚かされるはずです。
ではでは。
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