テキトーエレガンス

テキトーでも人生うまくいく!

幼少期に出会った思い出の猫に今日も「エア猫吸い」をして癒される


 

 

こんにちは。Blissです。

 

愛猫家さんたちの間でまことしやかに行われる儀式─そう、それは

 

『猫吸い』

 

猫

昔飼っていたサバトラ「マック」です。トラちゃんではありません。  

 

猫吸いとはなんぞや?

その文字通り、猫を「吸う」のです。

正しくは、猫の体に顔を近づけて思いっきり息を吸う、この動作を『猫吸い』と呼ぶのですが、

猫を飼ったことがある人なら一度はやったことがあるナイショの習慣だということが共感を呼び、猫吸いはもはや一般的な(?)言葉となりました。

 

猫は性質上、体臭がないからこそ出来ることですが、体臭がないだけではなく、

猫の体に鼻を近づけてみると、何とも形容しがたい甘〜い、そして優しい匂いがすることはご存知でしょうか。

 

この甘い匂いは「お日様の下で干したお布団」だとか言われるように

私たちが匂いを嗅ぐと安心する、あのお布団の香りと親和性が高いようなのです。

 

おそらくこの「猫が持つ特有の体臭」こそが、人間が猫吸いに虜になってしまう、最大の原因なのでしょう。

 

私の家でも猫を飼っていたりと、小さい頃から周りに当たり前に猫がいた環境でしたので、猫吸いは歯を磨いたり着替えをするのと同じように「生活習慣」の一つとなっていました。

 

人生で初めて猫吸いをしたのはいつだったか─

 

ふとそんな時、思い出す猫の存在がありました。

 

私がおそらく3〜4歳、物心つくかつかないかの頃だったように思います。

私の家の周りは民家も数える程しかなく、あるのは山か川しかないという大自然の中にありましたので、民家の小屋などを寝床にした野良猫たちが自由奔放に暮らしていました。

 

記憶にある一番古い猫の記憶─ それはおそらくこげ茶のトラ模様、キジトラ模様で大きなお腹をしたオス猫でした。🐈

・・とんでもなく大きなお腹だったのですこれが。

 

小さな子供はよく、「こ〜んなに大きかったんだよ!」と両手を体いっぱいに広げて大きさを表現することがありますが、

 

おそらく、自分の方がとんでもなく小さかったから、キジトラのお腹が大きく見えただけで、キジトラのお腹は普通サイズだったのでしょう。

・・今となっては知るよしもありません。

 

キジトラ猫ちゃんは「トラちゃん」と呼ばれていたと記憶しています。

 

いつも脳裏に思い出すのは、カッコウの声がする春の頃、

春の日差しを受けて温まりきった平たい石の上に、トラちゃんは大きなお腹をだらしなくデロ〜ンと広げて横たわり、

お昼寝の邪魔をしてくる知らないチビっ子の攻撃(!)を優しく受けとめるのですから、

お腹だけじゃなく、器も大きな猫ちゃんだったのだと思います。

 

ポカポカの春の日差しと湿り気をたっぷりと吸ったトラちゃんのお腹と背中はもう、

それはそれはいい匂いで・・。

 

キジトラの大きなポンポンからは、温もりきったお布団の匂いと、・・甘ったるいお乳の匂い、そして少しだけ、・・若い猫特有の香ばしいキャラメルの香りがするのでした。

 

猫

昔飼っていたサバトラ「マック」です。トラちゃんではありません。 

 

私の母は内心良く思っていなかったようで、トラちゃんが人馴れすることで家に居着いて欲しくなかったのでしょう。

私がトラちゃんと遊んでいると「居着いちゃうから離しなさい」と声をかける母の姿を思い出します。

 

おチビちゃん(私)とトラちゃんは密会を重ね、

家の裏庭にある大きな石の上で伸び切っているトラちゃんに顔を埋めて存分に猫吸いをする・・そんな蜜月はあっという間に過ぎて行きました。

 

その後、トラちゃんはうちに現れなくなったのでしょうか。

ある時を境にトラちゃんとの記憶が飛んでいます。

 

トラちゃんとのあっけない終わりを迎えた後、チビっ子はすくすく成長し、成長しきった今、こうしてブログを書いているわけですが、

あのトラちゃんの香り、これは多分生涯忘れることはない、そう言い切れるほど、私の中の強い香りの記憶となっています。

 

疲れた時、辛いことがあった時、ふと脳裏のトラちゃんのお腹を思い出して、

埋めて嗅いだあの匂いを思い出し、

 

「エア猫吸い」🐈

 

してしまうのは、強烈な原体験として記憶に残っているからなのでしょう。

 

 

トラちゃんはこれまた、すごく人懐こい猫で、

人間の子供は特に猫が嫌がるキャーキャーと甲高い声を出すので、小さい子供が苦手な猫も多いのです。

トラちゃんは全く動じることがなく、私が大きな声を出さずに落ち着いて遊んでいたこともあってか、お腹に顔ももっふ〜んとしているときも、

「おいチビ、今日もたんと吸えよ。」という顔。

心置き無く(?)猫吸いをさせてくれたことが大きかったです。

 

猫

寝たふりをして人間を観察している、飼い猫「ちゃあさん」です。
トラちゃんではありません。 



 

飼い猫やもちろん、よその猫や猫カフェの猫に「ちょっと失礼しますよ〜」と鼻を近づけて匂いを嗅がせてもらったこともあるのですが、

同じ匂いを持った猫ちゃんにはお会いできていません。

 

トラちゃんには、少しだけ「野良」エッセンスが含まれていたのでしょうか。

フェロモンの強い野生の体臭と、グルーミングの唾液の匂い、そして自然の空気の匂い?

お布団の香りにほんの少しこれらのエッセンスを足すと、トラちゃんの香りになるかもしれません。

 

・・なんて。冷静に分析をしていると気分はまるで調香師です。笑

 

 

そのあとのトラちゃんの消息は分かりませんが、今も天国でのんびりごろ寝しているでしょうか。

 

数十年経った後もあの時のチビっ子に「猫吸い」をされているとは夢にも思わないでしょう。笑

 

もう一度だけ、トラちゃんに会いたいな、と願う今日この頃です。

 

 

 

 

※最後に。猫アレルギーの原因になったり、汚れやノミがついていたりと衛生上好ましくありませんので、野良猫に猫吸いをするのはやめましょう!お子さんが野良猫を触っていたら手を洗うよう教えてあげてくださいね。