こんにちは。Bliss(@Bliss_Blink)です。
2024年に紙幣・硬貨のデザインを一新するというニュースで、福沢諭吉に変わって一万円札の”顔”としてお札デビューが決まっている「渋沢栄一」の存在は一躍有名になりました。
しかし、ほとんどの人が多分頭に「この人誰?」というギモンが浮かんだはず。
聞けば、今の経済の土台を作り、渋沢栄一が手に掛けたのは大手ホテルグループから大手企業まで名だたる企業ばかり。良く分からないけどスゴイ人だということで認識されたようです。
”渋沢栄一”と聞いてまず「かるた」を思い出したあなたは間違いなく埼玉で育った人だと断定できます。
渋沢栄一と「さいたま郷土かるた」の存在?
旧武蔵国深谷出身である渋沢栄一は生まれも育ちも埼玉県という誇る偉人なんです。
その証拠に埼玉県の主に小・中学生に親しまれているさいたま郷土かるたでは埼玉の偉人として読み札に登場しています。
子供の頃埼玉で過ごしたことある人なら一度は遊んだことあるので「懐かしい〜!」と声が出るはず。
え?知らない??
そもそも「さいたま郷土かるた」って何かって?
「さいたま郷土かるた」とは、埼玉県内の偉人・名所などを50音の”かるた”にしたもので、主に小学校などで親しまれてきた郷土愛満載のかるたのこと。
「さいたま郷土かるた」を通して遊びながら郷土愛が育まれる絶好のアクティビティになっていて、県では大会も行なわれてれっきとした競技にもなっています。
↓以下で「さいたま郷土かるた」のかるた札を見ることができます(絵はリンク切れのようです)。
同じように郷土愛溢れるご当地かるたとしては「群馬郷土かるた」も有名でしょうか。群馬出身の芸能人などが度々話題にしているので聞いたことがあるかもしれませんね。
しかしその「さいたま郷土かるた」を調べて懐かしさに浸っていたところ、ある重大な事実が判明しました。
さいたま郷土かるたは旧バージョンと新バージョンがある!?
この「さいたま郷土かるた」は平成14年に「彩の国21世紀郷土かるた」となって大幅リニューアルされていたことが判明!!
↓以下で実際にかるたの札と絵を見ることができます。
私が子供の頃慣れ親しんださいたま郷土かるたとはどこか違うぞ??と違和感を感じていた理由が分かりました。
「彩の国21世紀郷土かるた」では平成に作られた県内の建造物や平成に新名所となった所など比較的新しい題材を読み札の題材にしてグッと子供にも親しみやすくしたそうです。
話が外れましたが、じゃあその「さいたま郷土かるた」の中で「渋沢栄一」がどのように詠まれているか見てみましょう。
古い「さいたま郷土かるた」では「に」の札に、新しくなった「彩の国21世紀郷土かるた」では「え」の札にありました。
↓
彩の国21世紀郷土かるた(新):栄一も 食べたネギ入り にぼうとう

”渋沢翁” → ”栄一”とまさかの呼び捨て!フレンドリー感スゴすぎて”エイちゃん”と呼んでも許してくれそうな懐の広さを感じます。
絵札を見ると渋沢栄一が生まれの地、深谷の名産品である「深谷ネギ」が入った熱々の”ほうとう”を持ち、美味しそうな顔をしている絵なのですが何ともほほましい感じです。
埼玉県が誇る偉人なのですが、残念ながらイマイチ知名度が低く、何の功績をあげた人なのか誰も知らないという謎めいた人物と捉えられているようです。
(恥ずかしながら私も今回の2024年の紙幣リニューアルで渋沢栄一が登場するという話を耳にするまでは「かるたの人」ぐらいの認識でした…)
絵札はどれも県内の小学生によって丁寧に書かれているのですが味があって温かい郷土愛を感じるのでぜひご覧ください。
また、記憶に残っていた「ま」の札もガラッと変わってた。
↓
新:まが玉は 過去と未来の 首かざり
埼玉県で多く出土したことから県の旗(
その「勾玉」って何かって?
↓勾玉とはこんな形した古代の装身具のことで、大抵ヒスイやメノウでできてたりする装飾品のこと。
王族のお墓跡などから出土することが多く、子供の関心を寄せやすい素質バッチリです。
時代の変化とともにひっそりと姿を消した偉人・モノ・人
残念だったのが江戸時代に生きた全盲の学者”
塙保己一は全盲というハンディがありながら江戸で国学を納めるなどの功績を残した埼玉が誇れる偉人であり、過去には確かにかるたに君臨していました。
でもやっぱり何をした偉い人なのか良くわからないのですが。😓
あと、川口の名所「キューポラ」が出てきたのですが、それもリニューアルとともに圏外に飛ばされた様子。
↓
新:ベーゴマは 鋳物のふるさと 川口産
”キューポラ”も聞きなれない言葉ですが、かつて川口市に多く見られた鋳物工場の煙突群のことで、小説「キューポラのある街」の舞台にもなっていたとか。
なっていた、と過去形なのは時代の発展とともに鋳物工場は姿を消し、キューポラはごくわずかしか残っていないということなので、平成のかるたのリニューアルとともに姿を消したのは仕方のないことかもしれません。
かるた新メンバーとして”トトロ”やあの有名宇宙飛行士の姿も
かるたの読み札は時代に沿った大幅なリニューアルをとげているようで、特に印象的だったのが、世に出てまだ新しい”新参ネタ”が多いこと。
これも時代を反映していますね〜。
旧バージョンのかるたには江戸末期〜明治にかけての埼玉県出身の偉人が多かった気がするのですが、(ex.渋沢栄一・塙保己一・荻野吟子など)リニューアル後は「平成」に活躍した人物もお目見えしていました。
驚いたのは存命の人物として宇宙飛行士の若田光一さん(旧大宮市出身)が登場してたこと!
日本人初の宇宙ステーションのキャプテンを勤めたという輝かしいご経歴を持つ若田さんですが、今私が住んでいるさいたま市北区のご出身だそうでもはや名誉市民的存在となっておられます。
さらに驚くことにかるたには名誉”キャラ”としてトトロの存在が。
”森の中”とはジブリの大ヒット作「となりのトトロ」のモデルとなった広大な「狭山丘陵」のことでしょうね〜。
最近話題の新名所や平成の建造物もお目見え
近年、”小江戸”として海外からのインバウンドに湧いている川越の”時の鐘”や、シーズンにはインスタ映えスポットとして県外から多くの人が訪れる”日高市の

さらには、大ヒットアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の舞台にもなった秩父市にある自然公園ミューズパークもかるたに登場。
平成になってから出来た建築物としては、平成10年に開通した日本でも珍しい山梨と埼玉を結ぶループ橋の雁坂トンネルのループ橋だったり、さいたま新都心にあるさいたまアリーナ、2020年の東京オリンピックではサッカーのメイン会場となる埼玉スタジアム2002もかるたにお目見えしていました。
こうやって見ると平成の間にみるみるインフラが進み、埼玉県内の街が活気づいてきたことが分かりますね。
「観光名所が何もない」と揶揄されがちな埼玉ですが風光明媚なインスタ映えスポットもたくさんあり、隠れた名所だってそこら中にあることに気付かされます。
噛めば噛むほど味が出てくるスルメのようにじわじわと癒される「埼玉郷土かるた」「彩の国21世紀郷土かるた」。
もっと広まってくれたら良いなと祈っています。
ではでは!