連休に突入しましたね。
ここのところ随分と日が伸びて、ああ春が来ているんだと感じている今日この頃。
感動はしないかもしれないけど静かに心が揺さぶれる、
張りつめていたものがふっとゆるむような
超マイナーな映画3本をチェックしたいと思います。
実はこれから観る映画が2本あるのでじっくり観てからまた
感想をブログにあげたいと思います。
「潜水服」からの気の遠くなるような脱出
「潜水服は蝶の夢を見る」/フランス
あーこれこれ。妙に詩的なタイトルが印象に残ってて、
ジャン=ドミニックさんの自叙伝が元になっているとか。
突然襲った脳梗塞によって「閉じこめ症候群」になった、
ジャン=ドミニクさんというファッション雑誌「ELLE」誌の編集長が唯一動く左目を使って自伝を書き上げる話。
ちなみにこの閉じこめ症候群、聞き慣れない言葉ですが、
半身不随によって動かない体の中に意識が閉じ込められてしまう症状のこと。
半身不随というと、事故などによる頸椎損傷によって体が麻痺していしまう状態を連想しますが、
ジャン=ドミニック・ボービーさんの場合、
なんと体の中で唯一動くのは左目だけという、極めて重い障害を負ってしまいます。
ほぼ全身の麻痺によって左目だけしか動かない状態ですよ。
健全で元気な精神は文字通り、動かない体に「閉じ込められてしまった」苦悩は創造を絶するものがあります。
叫びたくても声が出ない。
「ここにいるよ!」と叫びたくても、外の世界の人からは意識がなく植物状態で横たわる姿にしか見えず、
眠っているように見える。
意識はしっかりしていて今も走り出したいくらいピンピンしているのに、ですよ。
二度と動かない自分(の体)を、海に潜るあの固くて重い潜水服にたとえ、
心だけはいつでも美しい蝶々になって自由に空を飛び回る日を夢見る──。
タイトルの意味が分かったときハッとさせらるのです。
唯一動く左目だけを使って介護をする人と意思疎通を図ろうと懸命な努力をし、
自伝まで書き上げるという偉業を遂げたジャン=ドミニックさん。
どうなるのでしょう。
あ〜夜中にこっそり見たい!
ヲタ×陰キャが43歳にしてダメな自分と決別する
「好きにならずにはいられない」/アイスランド
ついにAmazonビデオに登場。
こういう陰キャムービー大好きだ〜
ミニシアター映画のようで、以前から観たいなと思っていた映画。
原題は「FUSI」。
主人公は彼女いない歴=年齢、唯一の楽しみは戦場のミニチュア制作という、
今の言葉で言うところの「陰キャ」な43歳のフシ。
オカンから時々フシに向けられる哀れみの目、いや、諦めたような眼差しが切ない。
映画予告を観るとフシが恋に落ちる設定があるようなのですが、
そのお相手の女性には心の闇がありそうな雰囲気が漂ってきます。
おいおい、大丈夫なのかフシ!
その手の女性は恋愛上級者向けで恋愛に不慣れなフシには難易度MAXだと思うんだけど、
そこはどうなるんでしょうか。
フシは猪突猛進に彼女の元へ向かいそうな波乱ずくしの予感がします。
きっとフシと自分を重ねてしまうんでしょう。
これは絶対観る!
60歳の木こり、ゾンビとして映画デビュー!?
「キツツキと雨」/日本
静かな山あいの集落にある日突然、映画撮影がやってくる!?
山あいの集落で林業をしながらニートの息子と細々と暮らす60歳の木こり、克彦。
チェーンソー片手に山仕事に勤しんでいる所へ
ズカズカと山へ入ってきた映画撮影クルーに遭遇。
ひょんなことから監督とは名ばかりの「ぺーぺー」幸一(小栗旬)とともにゾンビ映画を作り上げていくというストーリー。
これはすでに観ましたが面白かった。
役所広司さんが作業着姿で山師としてチェーンソーを握る姿にぐっときます。
「ゾンビ?何それ?」
「ゾンビ映画」とは無縁なごくありふれた日常を送る
のどかな山間の住民が徐々に「ゾンビ」で心をひとつにしていく過程がたまらん。
克彦の熱意にほだされてヤル気が住民一人一人に波及していく様子はまるで、
ゾンビが次々と人に伝染していくかのようで、
映画に関してド素人の克彦の空回りっぷりも最高だし、
ダメ監督幸一との男同士の交流に心がポッと温かくなります。
林業って産業の移り変わりとともに年々後継者が少なくなっていて、
深刻な後継者問題に悩まされている自治体も多い。
これは林業で栄えてきたBlissの田舎でも度々取りざたされています。
美しい山の稜線も、山を管理する人がいなくなったら荒れ放題になってしまう。
人知れず山奥で木々を剪定し山の健康を管理している、林業従事者には頭が下がる思いですね。
映画撮影に熱意を燃やすオヤジの姿をだまって見守る息子の成長も見物です。
ではでは。