Amazon プライム・ビデオは人をダメにしますね。
プライム会員ですとプライム特典として無料で観れる映画もかなりの数あるので、
最近はもっぱら子供が寝た後にAmazon プライム・ビデオを観るのが楽しみの一つです。
ちょっと前のマイナーな映画を見つけてるのも楽しい。
インドア派かと聞かれるとそうでもないんですけどね。
こんにちは。Blissです。
▼以下はAmazon プライム・ビデオの紹介ページから
離婚した両親が仲直りし、ふたたび家族4人で暮らす日を夢みる航一。
母親と祖父母と鹿児島で暮らしながら、福岡で父親と暮らす弟龍之介と連絡をとっては、家族を元通りにする方法に頭を悩ませていた。
一方、彼らが暮らす鹿児島や博多は九州新幹線全線開通で沸きに沸いていた。開業式の日、博多から南下する「つばめ」と鹿児島から北上する「さくら」、 二つの新幹線の一番列車が行き交う瞬間に奇跡が起こる。そんな噂を聞きつけた航一と龍之介は、まさに「奇跡」を起こすための壮大で無謀な計画を立て始める。
もう一度家族を取り戻すため、奇跡を信じた少年たち。彼らが巻き起こした奇跡。航一と龍之介に果たして「奇跡」は起きるのだろうか?
Amzonビデオ:「奇跡」より
JR要素をこれっぽっちも感じない鉄道PR映画ですが何か
ガキンチョの日常はみずみずしく、けっこう切ない
実はこれ九州新幹線の全面開業をPRするためのバリバリJRが企画した映画なんですが
鉄道シーンはわずか。
あくまで映画のエッセンスとしてガキンチョ達を見守る役といったところです。
583系も415系もメインの新幹線「つばめ」も「さくら」ですらチョイ役なので
いわゆる「鉄分」に期待した鉄ちゃん鉄子さんは肩すかしをくらいます。
そもそも九州新幹線のPR映画と言われなければ気づきませんw
あらすじの通り主人公は小6の航一です。子どもっていうかガキンチョかな。
3人集まれば文殊の知恵ならぬ、ガキンチョが3人集まれば悪知恵。
どこにでもいるフツーの小学生達の生活がそこにあります。
学校行ってスイミング行って・・とフツーの小学生の日常なのですが
福岡にいる離ればなれの弟の龍之介を想う時、航一の心に陰を落とします。
映画「奇跡」より
母親が小さなスナックを営む母子家庭の恵美、ギャンブル狂いの父に諦めたような顔をするクラスメイトの佑(たすく)、
みな底抜けに明るいけど子どもらしさに相応しくない、様々な家庭事情を抱えている。
それは子どもなんて親の「ジジョー」にいとも簡単に振り回されるということ。
Blissはむしろ航一のオカンの立場なので、航一目線から見る、
「父ちゃん母ちゃんとの間のゴダゴダ」に翻弄される姿に
「すまなんだッ・・すまなんだッ」と内心申し訳なく感じながら観ていました。
是枝監督の意向で、出来るだけ台本を与えずアドリブ?でセリフを完成させたとのことで
子どもの感情の動きがリアルさを伴っています。
ガキンチョ達が集まって、恵美んちの2階であ〜だこうだの夢を語り出すところなんて
ありのままの子どもの仕草に、これが撮られている映画だということを忘れます。
だってほら、子役の「言わされている感」ありありのセリフに興ざめしませんか?
Blissはセリフっぽいセリフに「子どもがそんなこと言わねえよww」とすぐ醒めるたちなんですね。
小学生なんて実際あんな感じですもんw
子どもの自立を尊重するって大切。だけど難しいんだなこれが
Blissは今、思春期をむかえて日に日に態度も口もクッソ生意気になっていく娘に手を焼いております。
実は「奇跡」を観る前も娘と激しく口ゲンカしまして、
今日のところはわざと負けてやりましたけどね。(震え声)
いや〜すっごい。思春期の子って噴火寸前のマグマそのものです。
「イライラしたら負け」と自分に言い聞かせ
親として同じ土俵に立たずその場から離れること(ログアウト)で平常心を保っておりますが、
年頃の子どものメガトン級の噴火エネルギーには驚かされるばかりです。
映画の中のワンシーン。
航一とじいちゃんは観覧車から桜島の噴煙を眺めています。
何でこんな灰がスゴい所に人が住んでるのかイミフだと言う航一に対して
じいちゃんはこう言っていました。
「噴火っちゅうのは山がまだ生きちょう証拠じゃと。
生きちょって、時々は外へエネルギーを出してやらんとな。」
時々はエネルギーを出してやらんとな──。
噴火の知識がある人なら「何当たり前のこと言うとうねん」という感じですが
この言葉にスコーンと何か付きものがとれた気がしたBlissなのであります。
今回の娘との仁義「泣き」戦いで実感したこと。
それは、大人からすると子どもなんて裏も表もなく単純だと思いがちですが
子どもだって思うところはある。鬱屈した闇も抱えているし
大人以上に複雑な心境に陥るときもあるのだということ。
子どもは大人が想う以上にイッチョマエな事を考えているもんだなということ。
溜め込んだマグマエネルギーを好きなだけバホーンと出させてあげよう。
カーチャンが灰もかぶってあげよう。
娘に対して一歩的に上から押さえつけてしまったことを反省した次第です。
白く輝くガリガリ君、いわし雲、自販機の下の100円玉
名札の付いた体操着、大人サイズの親子丼、ありえない体温を指す体温計、
先生のデッカい手。
子どもが描く絵日記のように象徴的に、そしてダイナミックに写し出されます。
こういう描写がもう・・ね、汚れきった大人にはたまらんよ。
キラッキラ輝く情景がなんとも狂おしい。
困ったなぁ、こうしてまた小学6年生の頃に連れ戻されてしまうのです。
秋の始まりを告げるいわし雲に涙が止まりません。
映画のガキンチョ達は全力で大人とぶつかり合い、
デッカい社会の中で自分たちが生きていることを自覚していきます。
ガキンチョ達の希望は桜島のメガトン級の噴火エネルギーとなって
今か今かと噴火の時を待っている。
そう、「つばめ」と「さくら」が出会うその瞬間!
はたしてガキンチョ達に奇跡は起こるんでしょうか。
クッソこんなんで泣いてしまった・・。
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