こんにちは。BlissBliss⋆*@テキトーでもうまくいくです。
非日常でファンタジーな世界観の小説で定評のある直木賞作家・万城目学の代表作「鴨川ホルモー」をAmazonプライムビデオで観ました。
こう言っちゃなんですが、特に可もなく不可もない微妙〜なコメディ映画のジャケットって、たいてい主役がうおー!と叫んでいて、明るい蛍光イエローやピンクの帯の上にタイトルがデカデカと書かれているんです。
この鴨川ホルモーの例に漏れずそんな「コメディ映画ジャケットあるある」そのもので、第一印象はなんだかなぁと言ったところだったんですが、何やら叫んでる主役が山田孝之じゃないですか!
私の中では、山田孝之のコメディにハズレなしと記憶しているので、これは面白いパターンだと直感しました。
思わず「ホルモン?」と二度聴きしてしまいそうなタイトルの怪しさと、山田孝之の怪しさ。時間割いてでも観るっきゃない。
ビール片手に観ちゃいますか!
京大のある極秘サークルに伝わる伝統の儀式とは?
「鴨川」が町の中を流れる京都の名門・京大が舞台。
京都大学に入学した安倍は、「京都青竜会」という怪しいサークルの新歓コンパで美しい鼻を持つ早良に一目惚れし、うっかり入会してしまう。そこには、大木凡人にそっくりの冴えない女子・楠木に日本オタクの帰国子女・高村、俺様オーラ全開なイケメン・芦屋など一風変わった奴らがいた。ただのレジャーサークルと思われていた青竜会だったが、実は“オニ”と呼ばれる式神を操り戦わせる謎のバトル“ホルモー”を行うサークルだった!
サークルの飲み会で「鼻」が美しい子がいたからという不純な動機でうっかり「京都青竜会」に足を踏み入れてしまった安倍は、どうやら怪しい巻き込まれるようです。
1000年の伝統があるという(!)「ホルモー」を教え込まれるのですが、
酔っぱらいながらテンション上げて観ると更に10倍は楽しめそうです。
むしろシラフだと途中で引いてしまうかもしれないw
Amazonのレビューとかはサラッと見る程度に収めて
さっさと本編をご覧ください。
レビュー見ても、式神だのホルモーだの何のことだか意味不明だと思うのでw
京都と混沌と変態と
一つ言えること。「鴨川ホルモー」は京都を堪能する映画に間違いありませんが、
かと言って京都の名だたる名所や観光スポットもろくに出てこないし、二時間ドラマのように密室で殺人事件は起きないし、謎解きもミステリーもありません。
映画の中にいるのはイケメン実力派俳優の山田孝之ではなく、「勇者ヨシヒコ」で観た全力で笑わせてくる山田孝之の姿。そこには女子が好きそうな恋愛ロマンス要素のかけらもありません。
しかも練習がキツくて逃げちゃうほどの”陰キャラ”を地でいくの安倍です。
「鴨川ホルモー」は京都のみやびだとか景観を堪能する映画ではなく京都の混沌と変態(&京大吉田寮)を愛でる映画です。
京都っぽさを期待して変に気取った映画を求めたら多分このシーンで吐く…そっと閉じるでしょう。
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古くは平安時代より数々の戦によって戦乱の舞台となった古都・京都ですが、現代の世では学生らによって秘技の技”ホルモー”の新たな火蓋が切って落とされ、のどかな鴨川沿いで人知れぬ死闘が繰り返されることとなりました。
一千年前から脈々と伝わってきたという秘技・ホルモーによって、”オニ”と呼ばれる神を操ることで相手と戦うのですが、このオニがめちゃくちゃ可愛くて、そしてめちゃくちゃ強い。
バットでボコボコ相手のオニを殴り合ったかと思ったら負けると「ヒュワ〜っ」と霧のように消えてしまう儚さがあり、神なのか生物なのか何だか分からないブキミさとあいまって妙な母性本能をくすぐるのです。
安倍運命はいかに。ちょんまげ頭・高村の汚名は挽回なるか。そしておかっぱ女子・楠木の想いは届くのか─。
極めつけは裸の殿方と一緒に「レナウン娘」を踊らなくてはいけないところです。
少しでも裸に抵抗を感じたり、レナウン娘って何?とピンとこないならば、
画面をそっと閉じましょう。
京都ヤバい。
この映画は危険だと思いました。
繰り返し観たあかつきにはおそらく額のサードアイが開眼するでしょう。(多分)
意味のないことでも本気になれた時って最近あっただろうか
それにしても、いいな〜青春って。
若い頃、不完全燃焼でくすぶっていたBlissには、安倍も高村も楠木も、
百万遍寮で思想に耽る汗くさい寮生たちですら、
鴨川の水面のようにキラッキラ輝いて眩しくうつります。
意味のないことを本気になった時って最近あったかな?
と考えてみました。
すぐに、ないよな〜・・とうなだれました。
なぜ私達は何かにつけてそこに意味を求めてしまうんだろう。
劇中の彼らはサークルの使命こそあれ、ホルモーはハッキリ言って意味のないことです。
でも全力投球でやり尽くす。没頭する。
仏教のエライ人が言う、「三昧(サマーディ)」とはまさにこのことではないだろうか。
あ、違うかw
突き抜ける姿は美しい。
埋もれちゃった心のピュアな部分に、ぽっと火が灯った気がします。
※ちなみに登場人物はみな、歴史上の著名人から取っているようですね。
映画に出てくる安倍明と楠木さん、安倍晴明と楠木正成かな〜なんて思ってたらそのようでした。
♪レ〜ナウ〜ン レナウン娘が〜