テキトーエレガンス

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迷惑をかけてはいけない、という呪い


 



 

こんにちは。Blissです。

 

「人に迷惑をかけてはいけない」

 

誰でも一度や二度、親や学校の先生などから言われたことがある、おそらく日本人なら誰でも知っている戒めの一つで、

自然に周りの人のことを考えて行動することを美德として躾けられてきました。

 

この観念が根底にある日本人は海外へ行っても、

自分が使った設備などのゴミを拾って後片付けをしたりと、まあどこ行っても品行方正なんですね。

 

ところが、「迷惑をかけてはいけない」は、海外の人からすると「無茶ぶり」に聞こえて、そんなこと出来るかーいとツッコミたくなるんだそうです。

 

人間生きていれば周りに迷惑かけて当たり前だろっ、迷惑かけたくなきゃ山奥にこもって一人で生きていけってことに聞こえるらしい。

 

そりゃそうですね。

広い目で見ると、誰にも迷惑をかけずに生きていくことはできない。

自分では自覚がないだけで、生まれてから今までどこかの誰かにプチ迷惑だってたくさんかけています。絶対。

 

子どもなんて周りの人に迷惑をかけまくって成長します。

 

大人だってそうです。

駅のトイレ行って洗面台で髪の毛をパラっと落としてしまった。こんなことだって清掃員の人からしてみれば迷惑に感じるでしょう。

イヤホンで音楽を聴いていたら知らない間に音が漏れてて周りの人に迷惑かけてしまうこともある。

 

視点を変えれば迷惑行為になってしまうことだってたくさんあります。

 

 

「人に迷惑をかけてはいけない」

 

 

 

一見するととてもいい言葉なのですが、

迷惑をかけてはいけない観念のおかげで、助けが必要な立場にいるのに周りの人に助けを求めることに躊躇してしまったり、声をあげられない人もいる。

こんなことを耳にします。

 

私も以前まではこれ言ったら迷惑だろうな〜、悪いだろうな〜と余計な気を使っちゃうタイプでした。

 

今でこそ社会性もズル賢さ(?)も立派に成長した我が家の娘ですが、過去には不登校になたことがありまして、

不登校を経験している親御さん(当事者も)ならわかると思うんですが、不登校になることで学校や社会と切り離されてあっという間に孤立してしまうんですね。

 

 

学校の1クラスが30人いたとしたら、学校へ行けなくなる事で自分の子だけスパッと切り離されて宇宙空間に飛ばされる・・極端ですがそんなイメージでした。

 

その時には「良い親だと思われたい」なんてショボいプライドが作動しちゃいまして、表では子供や先生の意見に理解あるふりして、裏では辛いし逃げたくて仕方ありませんでした。

 

ところがある日のこと、

ずっと抑圧していた「良い親」の仮面が突如として吹っ飛び、仮面が剥がれることになります。

 

その日は朝から娘と言い争いになり、ついにプッツンしてしまい、ついに勢いで家出をしてしまったのでした。

 

家出をしたのは娘ではなく、

はい、私です。

 

家出少女ならぬ、家出母ちゃんです。

 

家出と言っても行くところも私の実家ぐらいしかありません。実家には一から話さなくちゃいけな行くてちょっと面倒に感じたのでやめて、

近くのビジネスホテルを予約して、頭が冷えるまで一日そこに泊まることにしました。

(当の娘は何をしていたかと言うと、私が娘の部屋の前に置いきたお金でコンビニに行き、お菓子やお弁当を買って悠々自適に一人暮らしごっこをしていたらしいです。)

 

今となっては笑い話ですが、

良い親の仮面なんて案外モロいものです。

 

一晩家出?した翌朝には昨日までの興奮も冷めて冷静さを取り戻していた私は、ふと人づてに聞いたカウンセラーさんのことを思い出し、意を決して助けを求めに行くことにしました。

 

カウンセリングルームのオープンと同時にそこを訪れ(駆け込んだに近いですが)、出てきた心理士さんに事情を説明すると、その方は私の話にじっくり聞いて耳を傾けてくださいました。

 

朝9時にチャイム鳴って、ドアを開けたたと思ったら何だか必死な顔した女が立っているんだから、その方からしたら軽くホラーです。しかもアポなしでしたし。

 

その出来事をきっかけに、学校ではないどこかの場所、つまり第三者的な所に助けを求めるきっかけを作れたのは幸いでしたね。

 

ここでやっと、周りに向けて助けて〜!助けて〜!と言うことが出来たんですね。

 

駆け込んだところは正確には育児相談施設なのですが、その後現住所に引っ越すまでにたくさんお世話になり、

私と娘がそれぞれカウンセリングを続けたことで、私も娘も心に落ち着きを取り戻すことができました。心理士さんたちのおかげで今があると、今でも本当に感謝しています。

 

迷惑をかけてはいけない、

日本人特有のこの戒めは表裏一体で、ある意味、人を縛り付けてしまう呪いとして働くことがあるとも言えません。

誰にも打ち明けられない、そんな閉塞感があるなら、心の奥底から周りに迷惑をかけてはいけないという声が聞こえてきませんか?

 

ならいっそ

 

「迷惑をかけてもいい」

 

と言い換えてみてください。

案外周りからしてみたら迷惑だなんて思っちゃいないです。本当です。

 

余談ですが、

海外の人には「周りに迷惑をかけない」という考え方が薄く、「人間生きてりゃ迷惑はかけるものなのになぜかけちゃいけないのか」という発想に至るらしくて、迷惑というネガティブなことも、国が変われば捉え方も変わって、ひょっとすると迷惑にならないのかも、と感心したことがあります。

 

だからと言って、どんどん迷惑かけようぜ!横柄に振る舞ってもOK!と言っている訳ではないのはご承知おきを。