こんにちは。Blissです。
児童文学として語り継がれる名作『星の王子さま』がKindleで読めたので、おおよそ30年ぶり(!)ぐらいに読み返しました。
子供の頃読んだっきりで、多分30年ぶり(もっと?)以来の再会!
音楽の先生がこの本面白いわよ〜と教えてくれたことがきっかけで、図書館にあった『星の王子さま』を手に取って読んだ記憶が蘇りました。
ところが内容を全く思い出せず。
今読んでみて、こんな内容だったっけ??と首を傾げる始末。
元来、記憶力はあまり良くないのですが、自分にとってあまり関心のないものはさっさと忘れる性分のようです。
それもそのはず。
『星の王子さま』は優しい語り口ながらも、ものすごく想像力を必要とする物語なのと、独特の、抽象的な表現が散りばめられているのもあり、私のようなアホな子どもは文面通りに解釈してしまうようです。
ただ、子どもの頃、この本読んでみて〜!すごく面白いから〜と、星の王子さまを勧めてくれたのは、音楽の先生でした。
つまり、大人になる程ものすごくピュアで繊細な気持ちを取り戻してくる。そんな気持ちを取り戻してくる、そんな本なのは確かです。
場合によってはすごく退屈で、一回読んだら誰でもストレートに理解できる物語ではないと思っています。
だけど今読み返してみたら、
この退屈さと抽象的な世界こそ、ピュアな「文学」だと痛く感動したのです。
読んだ後に心がほっこりして、
本を読んでこんなに純粋な嬉しさを感じたのは久しぶりでした。
すごく綺麗な、ちょうちょが羽をはためかせて手のひらから離れていき、やがて点になって見えなくなるまで眺めている─そんな気分。
大人は変にストーリーを解釈をしがちなので、やれこれは大人の消費社会へのアンチテーゼだとか、この星は〇〇を揶揄しているとか、そんな哲学的な解釈を絡めちゃうとメンドクサイので、そんなことを語るつもりはありません。
そもそもそんな解釈をしたかったら小説を読んだほうがためになるのですから。
「ほんとうに大切なものは見えない」
ズッキューンと心に刺さりました。
ああ、そうなんだよ。見えないんだよ。
どうでも良いことほど、見えるんだよ・・。
王子さまの紡ぎ出す言葉の一つ一つが、
まっすぐに川底に落ちていく小石のようにスッと私の心に染み入りました。
何度でも読める文学ってそばに置いておくと良いですね。
日本には地平線まで見渡せるような大きな砂漠はありませんが、
その代わりに、日当たりの良い公園の隅にある、ちょっとした木陰で読みたいなと思いました。
・・4本のトゲのバラ、切なくて愛おしくて、大好きになりました。
ではでは!