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平成が終わる前に観ておきたい!プロジェクトXにもなった大工事をテーマにした映画2本


平成が終わる前に観ておきたい!プロジェクトXにもなった大工事をテーマにした映画2本

こんにちは。Bliss(@Bliss_Blink)です。

激動の平成30年も残りあとわずか。

この平成の30年の間には東京スカイツリーを始め、東京と千葉を結ぶ東京湾アクアライン、兵庫県神戸市と淡路島を結ぶ世界最大の吊り橋・明石海峡大橋の完成など大きな建築物が続々と完成しました。

私たちが当たり前に使っているインフラはさらにずっと前の、昭和時代に作られたものも多くあるのをご存知ですか?

過去に、NHKのドキュメンタリー番組で「プロジェクトX〜挑戦者たち〜(2000年〜)」という番組がありました。

一大プロジェクトに関わった人たちの開発に到るまでの苦悩を追ったプロジェクトXですが、ダムやトンネルなどのライフライン建設の裏側などを取り上げた回も多く、それぞれのエピソードに胸を熱くしたことを思い出されます。

プロジェクトXで取り上げられ、一大プロジェクトに命を賭けた人たちの映画2本をご紹介します。

悲願の海底トンネル建設に挑む!/「海峡」1982年



    ハラハラ度:★★★☆☆
男のロマンに胸熱度:★★★★☆
  しばれる寒さ度:★★★★★
  ほろ苦ロマンス:★★★★☆
▲舞台は厳冬の津軽海峡は竜飛岬。「トンネルさん」と住民から親しまれ、ヘルメットに作業着姿で難工事に果敢に挑む高倉健に惚れる。いや惚れた。


いまや生活に欠かせないジャガイモなどの様々な北海道産食品ですが、それらは北海道と本州を結ぶ海底トンネル「青函トンネル」を通って貨物列車で運ばれてきたものだということは意外と知られていません。

青森の最北端は竜飛岬たっぴみさきを舞台に、本州と北海道を結ぶ悲願の青函トンネル開通に人生を賭けた技術者を描いています。

映画「鉄道員ぽっぽや」で観る人の心を鷲掴みにした寡黙で誠実な鉄道員の姿はこの「海峡」でも健在でした。

親方役には故・森繁久彌さん、多恵役には吉永小百合さんが出演されています。

悲願の海底トンネルにかけた男たち

そもそも青函トンネル工事の話が出てきた背景には、津軽海峡を行き来する連絡船の事故が避けられなかったことにありました。

演歌にも歌われるほど荒れ狂う津軽海峡は「船の墓場」と言われるほど難所で有名。

昭和29年には津軽海峡を行き来していた連絡船・洞爺丸の遭難により1,400人近くの尊い命が犠牲になった「洞爺丸事故」が起こりました。

映画ではこの事故をきっかけに発足したトンネル計画の元、安全なトンネルの実現に向けての第一歩として竜飛岬に派遣された国鉄の技術者・阿久津(高倉健)は、来る日も来る日も海底の石を拾い調べる日々に追われます。

凄腕の親方という右腕を得て工事は着々と進むのですが、海底トンネルは度々出水しゅっすいに見舞われ殉職者も出してしまい難航します。

トンネルを掘りながら新たな技術を考え開拓し、そしてさらに掘り進むという執念でトンネル完成へと向かいます…。

海底トンネル工事は難航。多恵の恋の行方は?

当時世界最長と言われた海底トンネルの着工、建設の様子と並行して、竜飛の男たちを陰で支える居酒屋の多恵とおかみさん、腕っぷしの良い鹿児島弁の

竜飛岬の居酒屋の女中・多恵(吉永小百合)は阿久津をサポートするのですが、決して出しゃばらず傍からトンネル工事の作業員たちを支え続けるんですね。

一杯やりがながら「15歳からトンネル作って来た」と過去を打ち明けるおやっさん、竜飛岬から身を投げようとして阿久津に助けられて以来、ここの居酒屋で働いている多恵さん、

仕事一筋で前だけを見つめる阿久津にも、父親との間で昇華し切れていない何かを感じさせる伏線があります。

多くを語らず阿久津と多恵が熱燗を酌み交わす姿は、夫婦と言うより戦友同士のように感じた私はこのシーンで号泣です。

それぞれの登場人物たちにドラマがあって引き込まれます。

森繁久彌さんも吉永小百合さんも私が物心ついた頃にはとっくに全盛期を越えてらっしゃいましたが、とくに吉永小百合さんなんて映画の中でひときわ輝いて美しい!

今では古臭いと敬遠されがちな昭和の女たちの健気さと芯の強さを、吉永小百合さんが見事に演じてらっしゃいました。

復興のために電力を!過酷な黒四ダム建設に挑んだ男たち「黒部の太陽」/1958年



    ハラハラ度:★★★★☆
男のロマンに胸熱度:★★★★★
  感動にホロリ度:★★★★★
    人間ドラマ:★★★★★
▲時は高度成長期。ひっ迫した電力を確保するためダム建設に挑む。白羽の矢が立ったのは「黒部にケガはなし」と揶揄されるほど危険で難攻不落の黒部の谷だった。
関電の次長・北川を三船敏郎、下請け会社の若社長を石原裕次郎が演じています。色褪せない情熱っぷりに元気が沸いてきます。


舞台は長野県と富山県の県境は立山アルペンルートにある「黒部ダム(通称:黒四くろよんダム)」

石原裕次郎と三船敏郎という日本を代表する俳優の二大共演作で「世紀の大工事」と言われた黒四ダム工事を丁寧に描いたのがこの「黒部の太陽」です。

”黒四ダム”こと黒部ダムは186mという日本最大の堤防の高さを誇り、ダムと言えばクロヨン!と言わしめる圧倒的なスケールのダム。

立山連峰の峰々に囲まれた秘境にあって、美しいアーチに縁取られた堤体から吹き出すド迫力の放水「観光放水」は特に有名で、ダムの形をそのまんま模した珍メニュー「ダムカレー」発祥の地でもあったりと、年間1万人が訪れる人気観光地のひとつですね。

難工事の黒部ダム建設の中でもひときわ難航した「関電トンネル」の工事を描きます。

黒部ダム
www.kurobe-dam.com

死の黒部峡谷で”クロヨン建設”に掛けた男たち

観光地で賑わう今の姿からは想像がつきませんが、ダムが建設される昭和30年頃までは3000m級の山に閉ざされた断崖絶壁の秘境でした。

一つ間違えば命取りという意味も込めて「黒部にケガはいない」と言わしめた難攻不落の黒部峡谷にこそ、戦後の日本を発展させるための大きなダムと発電所が必要でした。

関西電力の次長・北川(三船敏郎)、トンネル工事を担当した熊谷組の下請け岩岡班の二代目・岩岡(石原裕次郎)はそのダム建設に向けて、切り立った山にトンネルを通す難工事に挑みます。

泥まみれになって無心に工事に勤しむ人夫たちのぶつかり合いもあり、関西電力の社長・太田垣と熊谷組の一歩も譲らない心理戦もあり見応え充分。

もう一つの戦いの描写にも注目

一方、関電の北川(三船敏郎)の家族も、次女・牧子の病気の発覚によって大きな困難に直面します。

岩岡班のおやっさん・源三と息子の剛(石原裕次郎)の避けられない確執の描写もスゴい。

親子が顔を合わせば衝突し、一触即発状態の二人の間にはビミョ〜な緊張感が流れ、親父のカンシャク玉にいつ火がつくのかとハラハラします。

岩岡家の冷戦に北川も放り込まれていくのですが…。

岩岡班のおやっさん・源三は戦時中、たくさんの犠牲者を出し”地獄”と恐れられた高熱隧道こうねつずいどうの工事にも関わっているという設定があり、黒四ダムを語る上で高熱隧道も引き合いに出されるようです。

(※高熱隧道はその名の通り、高熱の岩盤の中をトンネルを通したため大変な工事となりました。トンネル完成までに300名もの犠牲者を出したと言われています。小説「高熱隧道」ではその惨状が語られてします。)

北川家を襲った牧子の病気、岩岡家の確執、前途多難な工事…。山積みの課題を前に、北川と剛は結束を新たにします。

信念を貫く北川の言葉にグッとくる

トンネル掘削中には破砕帯はさいたいと呼ばれる崩れやすい地層帯に幾度となく苦しめられ、その都度出水事故が発生。工事は一向に進まなくなります。

さらに追い討ちをかけるように工事中の事故で仲間を亡くすという事態に見舞われたこともあって作業員の士気は下がり始めます。

「こんな難所にトンネル建設なんて不可能だ。」ベテランの熊谷組ですら匙を投げる中、北川は後ろ向きな熊谷組にハッパをかけます。

「不可能を可能にする何か、人間の何かを、魂とか心とかそういったものを信じようとしないからです。
<中略>
あんなメチャクチャな中で一日平均7センチ7ミリ掘っているんです。
破砕帯は抜けない、そう決め込むのは間違いだ!」

信じれば道は開ける。

戦争の記憶を引きずりながらも、電力によって豊かな日本が来ると信じてダム建設に没頭した人たち。

その信念こそが不可能を可能にする。

必ずトンネルを作れると信じて全身全霊で建設に身を投じていく人たちの姿が熱く描かれます。

不屈の精神とはまさにこのことを指すんでしょう、ダム建設という社運を賭けたプロジェクトは最後まで男たちの戦いから始まり戦いに終わる。

プロジェクトXでは前編・後編と取り上げられた黒部ダム建設ですが、その裏にはこれほど想像を絶する過酷な戦いがあったことに、ただただ驚くばかり。

昭和の文字通り汗と泥にまみれた「泥臭い」映画と言ったらそれまでですが、平成に生きる人の心に勇気の炎が灯される映画です。

※2008年には香取慎吾さん主演で「黒部の太陽」がリバイバルされましたが、…観てないけど多分ガッカリするだろうなと察したので今後観ることはないと思う…。

ハマると危険!昭和の名優たちの魅力

地図に残るような一大プロジェクトに誇りを持って、命がけで働く男たちの映画を二本も連続で観てしまいましたが、

どちらも惰性で生きている私に勇気を与えてくれる作品でした。

両方の映画の工事シーンで幾度となく出てくる削岩機と言われるドリルで岩に穴を開けてダイナマイトを詰めて発破はっぱ(爆発)させる、なんて危険な工程は今では殆ど行われなくなったテクノロジーなんですよね。

また、当時の建設現場で観られたであろう、モーレツ社員と現場を仕切る土建屋の親方、親方を「オヤジさん」と呼んでひたすらに汗にまみれる「人夫にんぷ(労働者)」たちの構図なんて今ではとても新鮮に映るはず。

現場で働く親方も人夫もみんな口は悪いんだけど、自分たちのことを「トンネル屋」「ダム屋」と呼んで誇りに思い、目の前の仕事に真剣に向き合う姿に見入ってしまう。

女の私が”男のロマン”なんて言ったら陳腐に聞こえるかもしれませんが、質実剛健な男たちの”こころざし”ってこういうことなんじゃないかと、ちょっとでも感じることができました。

「七人の侍」を見てから三船敏郎さんを好きになった私は、昭和の俳優の隠れファン。

昭和の俳優さんたちは時代劇を経験しているせいか身のこなしや目線の配り方まで色気があります。

くるりとくり抜かれたような眼窩がんかに、精悍な顔立ち、そこに漂う険しさがあってめちゃくちゃ男前に感じるんです。

純粋にカッコイイです。

平成生まれの俳優さん達も充分カッコイイのですが「男前」な俳優さんはめっきり少なくなったように思うのは気のせいでしょうか…。

上記二本の主役、高倉健さん・石原裕次郎さん・三船敏郎さんいづれもすでに故人であり、もうフィルムの中でしか御三方を観ることはできません😭。

映画を彩った脇役の方も鬼籍に入られた方が多いんですよね。

今年やってくる新元号の到来とともに、ず〜っと遠くに行ってしまうような寂しさ…。

鬼気迫るような本気が伝わって来る映画ってもう撮れないのかなぁ。

今年こそは憧れの黒部ダムへ扇沢から訪れてみたいと思います!(尊い犠牲となった殉職者にそっと手を合わせながら。)

モノが溢れ何一つ不自由しないまま惰性で平成を終えようとしている今、後世の地図に残る大工事の映画を観てその偉業を成し遂げた人たちに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

ではでは。