テキトーエレガンス

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脳と心は何度でも変えられる。「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」に心震えた


”この町には6週間しかいないけど、毎日会いにきてくれたらマジックを教えてあげる。店じゃ買えないような、何でも欲しいものを出せるマジックよ。本物のね。”

毎日クタクタで疲れて帰路につく途中、ショーウィンドウの可愛らしいマジックグッズに惹かれて吸い寄せられるように小さなお店に入ったあなた。

そこの店主に、もし通ってくれたら”何でも欲しい物を出せるマジック”を教えてあげると言われたら─。

こんにちは。Bliss@Bliss_Blinkです。

上のお話はウソみたいなお話ですが、これから紹介する本の著者が子供の頃に体験した実話です。(実際は可愛らしいマジックグッズもない寂れたショボいお店でしたが。)

近年注目されている「マインドフルネス」について科学的にそしてその神秘について書かれた「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」という本です。

キャンディのような色使いにラインアートっぽく縁取られたおしゃれな文房具のような表紙。

かっ可愛い…。

可愛い見た目なのであまり期待していなかったです💦

だって、邦題のタイトルってどうもセンスがないの??と疑いたくなる長〜いタイトルに、パステル系の表紙ってスピリチュアル系の安っぽさをビンビン感じるし、それに最近溢れている”スタンフォード大学の〜”という見出しにあざとさを感じてしまうよね😪。

タイトルも原題の「INTO THE MAGIC SHOP」でよくない?どうしてこう長ったらしいタイトルつけるんだろうとツッコミを入れつつ、大して内容に期待していなかったのですが、冒頭の数行の分でツッコミも色眼鏡も吹っ飛ぶことになろうとは…。

頭皮をはがすときには、独特な音がする。
大型のマジックテープを引きはがすときのような音だ。うるさくて荒々しくて、ちょっぴり悲しい音。

頭皮?引きはがす?何やら物騒な言葉にたじろぎながら、表紙と裏表紙を交互に確認して、そうだ、著者のドゥティ氏は脳神経”外科医”だったんだとここで気づきます。

冒頭では子供の脳腫瘍摘出といいう難手術に挑む著者の姿が回想されていくのですが、衝撃な冒頭からどんどんと引き込まれていきました。

まるでタイトルの”最強のマジック”に魅了されるかのように。

人生を賭けた”マジック”が今奇跡を起こす

原題の「INTO THE MAGIC SHOP」には直訳すると”マジックショップの中へ”という意味なのですが、文字通り、主人公の少年がマジックの道具を扱っている洋品店(マジックショップ)に入ることに由来します。

主人公の少年・ジムはマジックが大好きな12歳の普通の少年なのですが、境遇はお世辞にも良いとは言えず。(それどころか彼を取り巻く悲惨すぎる環境には同情を隠しきれないのですが。)

本書は著者・ドゥティ氏の自叙伝であり人生をかけた”マジック”の集大成と言えるかもしれません。

予備知識なしで読んで頂きたい!…ので、詳細はナイショですが、ちょっとあらすじだけお教えします。

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1968年、カルフォルニア州の、著者が「小さく荒れ果てた町」と揶揄する小さな町・ランカスターで12歳の少年ジムは神妙な顔をして寂れたマジックショップの前に立っていました。

唯一の楽しみであるマジックで使う「ニセモノの親指」をなくしたばかりのジム。

ニセモノの親指を探しに通りがかった時たまたま見つけたこのマジックショップで、不思議な店主・ルースと知り合うのです。

”この町には6週間しかいないけど、毎日会いにきてくれたらマジックを教えてあげる。店じゃ買えないような、何でも欲しいものを出せるマジックよ。本物のね。”


Photo by StockSnap

マジック道具もトランプもシルクハットもいらないという”本物のマジック”をかけてもらおうと、ルースの言うとおりに座らされたジムはおっかなびっくり目をつぶるのですが…。

それでも、ときには警官がドアを叩く姿が目に浮かんだ。恐ろしいノックの音だ。大きくて乱暴で無視できない。家賃支払いの日が近づいていることもわかっていた。
ルースは町を去り、僕には家がなくなる。両方のイメージがわいてきたけれど、僕は毎日窓の曇りを拭き、母さんが家賃を払う姿とアパートに住み続けている僕たちを何度も思い浮かべた。頭の中でこう繰り返した。
「家賃は払える。僕たちは追い出されない」─

警官がやってくる恐怖に怯えて激しく打つ心臓を落ちつかせて疲労困憊のジムをルースのマジックは優しく包み、ジムはしだいに正気を取り戻していくのです。

わずか12歳にして家の事情に振り回される日々がどういうものなのか、格差社会とは言え毎日食べるものにも困らず平和に暮らしていける日本じゃ考えられないほど壮絶な境遇ですが、その後のドゥティ氏のジェットコースターのような半生と並べても、まるで映画を観ているかのような不思議な魅力を感じずにはいられません。

脳と心、心臓とそれらを取り巻く神経系システムが共にリンクし合って身体という一つの共同体を動かす。それはまるで私たちの社会のように人と人が共感(コンパッション)しあって助け合っているように完璧に機能している─。身体で起きているもうひとつの”マジック”も並行して語られます。

脳には自由に変化しうる力”可塑性(かそせい)”があり、意識を望む方向に向けば必ず脳が変わり=心のあり方を変えて夢の実現に前向きになれるということを示唆しています。

著者は脳神経外科医でもあるため医学的見地から私たちの「心」や人の「感情」などの目に見えない存在がどうやって体に作用するのかに度々触れているのですが、圧倒的な説得力があってとても面白いですね。

読後は心の奥底で何かが腑に落ちて地に足がついたような、静かだけどアツい感動を覚えたことは間違いない。

多分この本で本当に人生変わっちゃう人いる。間違いない。

これは決してドゥティ氏だけに起きることじゃなくて誰でも自分の人生に奇跡を起こすことができるという壮大な検証実験だからです─。

うん、私もだいぶ影響されてきてます。

マインドフルネスはスゴイですよ。

とりあえず今日も瞑想しよっと。

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アルコール依存の父、自殺未遂を繰り返す母のもと、荒んで冷え切った家庭から逃れるように少年ジムが訪れたのはとある寂れたマジックショップ。そこの店主・ルースの”マジック”によっていつしか少年ジムの心に奇跡の種を落とす。
一人心に秘めて守ってきた”ルースのマジック”の種はジムの中で芽を生やし、ある時一気にその花を咲かることになる。
生きる意味とは?運命とは?人の心とは?
そしてルースが教えてくれた”マジック”の秘密とは─

脳と心臓の織りなす「心」の美しさ、崇高な人生の尊さについて、現在は脳神経外科医でもありオックスフォード大学メディカルスクール「共感と利他精神教育センター(CCARE)」創設者のジェームズ・R・ドゥティ教授が静かに語り出す。