子供の頃、うっかり見てしまった事でトラウマになったマンガや本、映画はありますか?
誰しも必ず、子供の頃に見たもので怖いと感じた経験があるかもしれません。
大人になったとしても1つぐらい覚えているでしょうか。
こんにちは。Blissです。
「トラウマになったもの」などをネットで調べると、人によって様々なのが面白い。
定番のホラー漫画やアニメ、ホラー映画やCMやドラマ・・
子供は繊細なので怖いと感じるものはそこら中にありますが、一様に「怖い」と感じる対象はたいてい、幽霊や殺人モンスターが出てくるものでしょうか。
中には何気ないアニメの1シーンがすごい怖かった、なんて話も。
これは日常ではない「不気味な何か」を感じ取ったのかもしれませんね。
トラウマになった戦慄の映画のタイトルが判明。大人でも怖い。
まだ人生経験の浅い子供はリアルと創作の区別が曖昧です。
精巧に作られた創作作品だと、それを現実だと思い込んでしまうでしょう。
偶然観た映画やテレビなどが引き金となって、キョーレツな記憶を残すこともあるのです。
私が子供時代を過ごした80年代〜90年代って、まだ今ほどコンプライアンスも叫ばれていなかった時代なので、テレビドラマでも暴力シーンとかジャンジャンありましたし、
2時間サスペンスドラマなどでは、夕食後のなごやかなお茶の間の空気を一転させるような怖〜い演出も多かった記憶があります。
私もそのタイプの一人で、子どもの頃観たある映画によって、キョーレツな「死」の恐怖心が刻まれ、払拭するのに大変だったことを思い出しました。
ふとしたきっかけであのトラウマ体験となった映画のタイトルを知りたくなり、
調べたところアッサリ判明。
数十年ぶりに、
そのトラウマを植え付けてくれた愛しの(?)映画と再会!!
その映画のタイトルとは・・
『地震列島』
主演は、今は亡き名俳優・大滝秀治さんと、勝野洋さんが出ていたことは思い出せるんですが、出演者よりもストーリーが強烈だったことと、当時子供だったのでキャストについて良く覚えていないので割愛します。
タイトル通り、地震をテーマにした映画です。しかも直下型の大地震。
映画のタイトルにある通り、内容が内容なので、繊細な人はこれから先を読まないでくださいね!
明日死ぬかもしれない、という恐怖にビビる小5の夏
初耳の方もそうでない方も、または映画館でリアルで観た人も、
まずはあらすじを。
『地震列島』はタイトルの通り、東京を首都直下型地震が襲い、メガロポリスは大混乱に見舞われる・・という正真正銘のパニックムービーです。
単純に「怖い」とか「恐ろしい」では言い尽くせない、
「絶望感」を子供ながらに初めて感じて、その原体験となったのがこの映画でした。
ある日首都圏を襲った直下型大地震によって、当たり前の日常が簡単に崩壊してしまう。自分の親や友達と変わらない日本人が、災害によって崩壊する都市機能に翻弄されて、また一人また一人と命を落としていく─
子どもにとっても恐怖の体験であり、分別つかない未熟な子供には、たとえそれが映画であっても容易にフェイクだと割り切ることは難しいのですよ・・。
当時、初めて『地震列島』をTVで観たのが小学5年生ぐらいだったと記憶しています。
ちょうど夏休み中にロードショーとして地上波放送していたんですね。
何度も言いますが、なにせコンプラのユル〜イ時代のTVなので、お茶の間で子どもが観てようがお構いなしです。
子供にうっかり観せるもんじゃないですね。
いまだに脳裏に焼き付いているワンシーンは、空港に旅客機が着陸した直後に直下型地震に襲われ、旅客機が右へ左へ暴走し始めるのですが、そこで大滝秀治さん(政界の重要人物)が座席で頭から血を流すシーン。
最後は旅客機ごと爆発炎上してしまいます。
文章だけでもパニックぶりが伝わっているはずですが、このシーンを観たとき、
↓こんな顔になりました。
( ゚д゚)
映画を観た後、ちびまる子ちゃんを観ていたアホな小5(ちびまる子ちゃん放映開始)の脳に、生まれて初めてストンと「死」なる概念がインストールされました。
うすらボンヤリとしていた「死ぬこと」という概念が輪郭をおびて自分にも降りかかるかもしれない、と実感するようになったんですね。
人は(いつか)死ぬ、これは低学年ぐらいで何となく分かり始める子もいるのですが、
この時私が知ってしまったのは、
人は明日死ぬ ・・かもよ?
ってことですね。
それが10分後かもしれないし、明日かもしれない。
80歳のお爺ちゃんお婆ちゃんになって死ぬ、なんて保証はどこにもないと悟ったのかもしれませんね。
学校行って友達と遊んで家で宿題やって夕ご飯食べて・・そんな平凡な毎日がある日突然なくなるかもしれない。
頭の中はもう大地震が来るかもしれない心配と不安でいっぱいになり、本当は明日大地震が来るのだけど、大人たちは隠しているのかもしれないと疑心暗鬼になります。
弟とふざけあっている今この瞬間に大地震が来るかもしれない、
外は真夏なのに心の中は寒々としていて、ひぐらしのカナカナカナ・・という鳴く声にすら恐怖に感じてしまう。
車で渋滞している道路も地震が来たら車同士が衝突してグチャグチャになってしまうに違いない・・。
両親は夏休みなのにぼ〜っと宙を見つめる娘を見ても、まさか映画の影響だとはこれっぽっちも思わなかったでしょう。
「諸行無常」なんて言葉すら知らない頃ですが、この時は日常のあらゆることが灰色に見え虚無に感じてしまったんですね。
クラスの友達も、お母さんもお婆ちゃんも、何でそんなに平然とした顔をしているのか、明日大地震がやって来るかもしれないのにと布団かぶって怯える毎日です。
真夏なのに。
毎日続くと思った恐怖も、幸いひと夏のトラウマ体験だけで済み、夏休み明けも問題なく普通の生活に戻っていきました。
強いて言えば、
ちょっとオカルトが好きな小学生が新たに心霊写真と宜保愛子にハマり始めたぐらいで、特に影響も引きずる事なくやがて小学校を卒業します。
多感な子供の時にこういうキョーレツ体験をするとその後の人格形成に影響を与えることはご存知かと思いますが、
親は子供が目にするものに十分目を配って管理しましょう。子どもは割と小さなことで影響されます 笑
怖いけど観てしまう昭和のパニックムービー。
この映画は1980年製作なんですが、その15年後には阪神・淡路大震災、
中越地震、そして東日本大震災、熊本地震と、数々の震災で苦難に立たされたことはいうまでもなく、
「地震列島」の映画の中の出来事は絵空事ではなく、いつ起きてもおかしくない、地震列島の真上で生活している存在なのだと身に沁みるのです。
↓DVDのジャケットは西新宿のビル群ですが、そう言えば当時は、都庁はここになかったんですね!
この当時はパニックムービーブームで、アメリカでは『ポセイドン・アドベンチャー』や『タワーリング・インフェルノ』のリリースを期に、日本でもいくつかパニック映画が製作されていたようですね。
『ポセイドンアドベンチャー』の映画内容は知らなくても、
船がどんどん傾いて、大広間にいた大勢の客が右から左へ転がっていくいくあのシーンだけはTVで観て覚えているって人は多いと思います。ハイ。私もです。
これでもかってくらい再放送されていましたので、うっかり観てしまって船に乗れなくなった、って人もいるかもしれません。
『ポセイドンアドベンチャー』ほどではないものの、タワーマンション火災からの脱出劇『タワーリングインフェルノ』もなかなかのトラウマ作で、
海難エスケープvs火災パニックという、人生で絶対に遭遇したくないイベントが大人の手によって見事に映画化されてしまい、しかも売れる!となっては、
パニックムービーが一ジャンルとして定着するのに時間はかからなかったようですね。
怖いもの見たさで観ていた大人にはエンタメの一つであっても、
たまたまTVで観せられてしまった子どもたちはたまったもんじゃありません。
パニックムービーは世界中の子供達の「トラウマ初体験」を掻っさらっていったに違いありません。
でもこれらの映画は海外映画なのもあり、シチュエーションも自分の日常とは離れているので、日本の子供にはイマイチ感情移入が湧きにくいでしょうか。
私がトラウマになった『地震列島』は日本映画なので、より強烈な印象を残したと言えるかも。
日本でも、昭和の映画をたまに観ると、現在の日本映画とは熱量から構成から何もかも根本的に違うことに驚かされます。
映画制作費も潤沢だったようで、爆発シーンに莫大なお金をかけたなんてことも多かった。
80年代からちょっと時代を遡りますが、私の好きな映画で、
世紀の難工事と言われた黒部ダム「クロヨン」の建設ストーリーを描いた映画『黒部の太陽』(主演:石原裕次郎・三船敏郎)があります。
トンネル建設中には出水と呼ばれる現象で度々災害に見舞われるのですが、
『黒部の太陽』ではトンネルを再現した巨大なセットを作り、トンネル内に演者を置いて、トンネルの端からドバドバ鉄砲水を放出して人を流して(!)出水シーンを撮影したとか、
今では無茶ともいえる撮影に度肝を抜かされます。
(今じゃ絶対再現できない、リアルで鬼気迫るものがあります。必見です)
そして、昭和の俳優さんは何と言っても貫禄がスゴい!
どの俳優さんも映画にジャンジャン出ていた時は30代が多かったようで、
え!?この顔で30代!?😵😵と、ビックリするような風格と迫力。
失礼だけど、今のイケメン俳優と比べると・・別人種に思えてしまうぐらいの色気がありますね。
もう一度、防災意識を高めるために『地震列島』を観てみるのも良いかもしれませんが、
大人になった今観たとしたらまた全然違った印象になるのかも。
地上波放送は絶対無理だとしても、アマプラにならないかな・・無理だろうな・・
ではでは