こんにちは。BlissBliss⋆*@テキトーでもうまくいくです。
残念なお知らせです。
あなたには「頭」がありません。
本当です。
ドキッとしましたか?驚かすつもりはないのですが、私たちはどうやら、生まれつき「頭」なんてついていないのに、周りの影響によって勝手に「頭がある」と思い込んで成長して生きているらしいのです!!
そんな「トンデモ」とさえ思えるほど斬新な洞察をした男性がいました。
イギリスの思想家ダグラス・ハーディングです。
今回、ダグラス・ハーディングの自叙伝「頭がない男」を読んで、ユニークでハートフルなハーディングの人生を追ってみました。
日本のコミックとは違うカラフルだけど繊細なタッチで描かれた漫画にはどこか、子供の頃読んだ図鑑を読んでいるような懐かしい感覚に浸れました。
当時世界の中心にあったイギリスであっても人々はまだまだ保守的で、自由な思想や言動は良しとされなかった時代、ハーディング氏の「頭がない」洞察は閉鎖的な社会に一石を投じるのですが…
「頭がなかった」と気づいた男の壮大な計画
20世紀初頭にイギリスの労働者階級の家に生まれたハーディング氏は、自身の探求からある日、「自分には頭がないこと」を突き止め、自分の信じてきた世界がガラガラと音を立てて崩れてしまうほどの衝撃を受けます。
私の「頭」は存在しない
「なんてこったパンナコッタ!私には”頭”がない…!」
自分というべきものの、頭というべきところにはポッカリと穴だけが空いており、その穴の下から”胴体”や”足”が生えていて、足には”地面”がくっつき、”世界”が広がっている ─と、自分が奇妙な動物に映ったのです。
そんなわけないじゃ〜んと言わないでください。
ここで一旦、今までの見方を捨てたつもりでハーディング氏の見え方に沿って世界を見てください。見るというか、ここでは”見ようとして”ください。
床に立ち、目をぐーっと足元に向けて見ると「胴体」と「足」が見えますか?
こんな風に。
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Photo by Free-Photos
今度は鏡を使わないで自分の「頭」を見ようとしてください。
そこで固まらないでください。
自分の「頭」を見えましたか?
見えませんよね。見えるわけないですよね。目は頭についているのですから。
でも鏡に写る自分の顔だって知っているし、自分の顔の写真だっていっぱいある。自分で自分の顔を見たことがなくても「知っている」と反論があるかもしれません。
自分の”目”で自分の顔を見たことがなくても、何らかの形で”自分の顔を写したもの”を知っているとね。
でも、残念なことに、あなたは生まれてこのかた自分で自分の頭を見たことがない。これは事実です。
ハーディング氏の言う通り、あなたにも頭がついていません。闇から胴体と手足が生えているバケモノです。本当です。
でもなぜ、私たちは鏡に映るその”頭”が自分だと思い込んでいるのでしょう。
不思議だと思いませんか?
世界の全てはいまここにいる頭がない自分から広がっているとしたら!?
こんな風に。
話を戻します。
今まで信じていた世界の姿がグラグラと揺らいでしまったハーディング氏は、この「頭のない」事実を広めるために自分の見たままを記録してまとめることにしました。
発見した”頭”がついていない自分=本当の自画像をみんなに伝えるため、手作りキット一つを手に立ち上がります。
「頭がない発見」は、信仰の厚い両親やコミュニティの人から猛烈な反発をくらうのですが、仏教界の著名人などに支持されたことで「頭がない発見」に見出された人が次第に集まってきて…。
ハーディング氏「おもしろ実験」から世界の見え方がガラッと変わる?
ハーディングと言えば数々の実験!
ハーディング氏が他の哲学者や思想家たちと大きく違うところは、何と言っても実践的だったことではないでしょうか。
「頭のない感覚」を誰でも直感的に分かりやすくダイレクトに伝えるため、この世界の階層をオブジェクトを使って説明したり、みんなで楽しめる面白い実験を重ねたりと、ハーディング氏は生涯に渡って「頭がない発見」を広めることに尽力をしました。
その中でも「指差し実験」は有名ですが、この実験では、自分を指さすことで「見える景色」を見つめ直すことで、自分や世界の見え方を探求します。(人によってはこの実験一つでガラッと世界の見え方変わっちゃう人がいるらしい)
こちらのダグラス・ハーディング公式HP(?)でもさまざまな実験を通してハーディング氏の「指差し実験」をやってみた記事も書いてます。
数人で輪を作り、足元をのぞいてみたり。
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定規を使って「世界には奥行きがないこと」を突き止めたり、両手をかざすことで「世界は両手いっぱいの大きさしかないこと」を実証していきます。
どれも試験官もビーカーも出てこない超簡単な実験ですが、もし、ハマると一瞬にして世界がひっくり返ってしまうほどの熱量を持った実験なのです。
おもしろ実験は「思いこみのフィルター」を刺激する
普段私たちは「観念」という思い込みのフィルターがかかっているので、氏の実験や考察はどれもこじつけや屁理屈に見えてしまい受け入れられないかもしれません。
この「観念」のフィルターは私たちが生まれてすぐはありません。目の前の世界をありのままに見ていましたし、昨日あったことや明日のことを煩うこともなく、世界に”委ねて”生きていました。
しかし「自我」が芽生えた頃から世界はあなたに冷たくなってきます。
私はこんな考え方をしている、あの人はこんな人だ、親や先生はこういう人だと、世界に「観念」というラベルを貼っていくことで世界に適応していきます。
「あなた」と「世界」には隔たりはなかったのに、成長するに従って隔たりはどんどん厚くなっていき、大人になる頃には鉄筋コンクリート並みの分厚い壁となって体全体を覆い尽くすほどの存在へとなっているのです。
指差し実験などはおもしろさ反面、現実という幻想にどっぷりと浸かって大人たちには、ついていけない印象を与えてしまう悲しさも秘めています。
ハーディング氏の実験は例えるならこの鉄壁の壁にヒビを入れて引っぺがし、生まれて間もない観念や概念もなく世界と一体だった頃に戻る行為とも言えるでしょう。
私も好奇心からいろいろ試していますが、超単純な「指差し実験」だけで壁にピリッと亀裂が入ってそこから”暗闇”が垣間見ることができました。
「あっ!」とわかる人もいれば、「ん?」とピンとこないけど何かを見えたように感じる人もいるかもしれません。
「あ〜なるほどね〜。確かにそうだよね〜。」と無感動の割には、実験の目的をすんなり受け入れられた私のような人もいますし、
実験してみたところで何のこっちゃ!な、チンプンカンプンのまま去っていく人もいるかもしれません。
残念ながら多くの人にとっては、結果が目に見えて楽しい、でん○ろう先生のおもしろ科学実験の方が”ササる”し面白いと感じるのです。(※でん○ろう先生の実験はとっても素晴らしいですよ!念のため…)
ハーディング氏の実験は実験そのものを”理解”しようと論理的に考えるのではなく、「多分こんなことを言いたいんじゃない?」と感覚的に捉えるとスッと受け入れられるようになっています。
宇宙の真理に気づいた男の神秘的でハートフルなストーリー
生涯をかけて世界を渡り歩き、沢山の人に「頭がない感覚」を伝え広めてきたダグラス・ハーディング。”ひとりよがり”だと敬遠されてきた孤独な旅は、いまや一つのスピリチュアルな見解として沢山の人に理解や共感を得ています。
妨害されても病に伏せても老いても、ハーディング氏が見つめる先にはいつも、私と他人、素粒子から宇宙、それら別々のものを”ひとつ”にして流れる”根源”がありました。
「頭のない男」の長い旅が終わる時、その「世界」も一つ消えるのです。
今でいうところのニューエイジ・精神世界的なアプローチから人々に「新たな世界の見方」を伝えることに生涯を捧げた思想家・ハーディング氏ですが、本心はただ、子供心に帰って無邪気に「頭のない世界」を楽しんでいただけなのかもしれません。
一対一である「二元」の世界に生きる私たちにパラダイムシフトを与える大きなきっかけを作り、「いまここ」と「全ての物は一つ(ノンデュアリティ)」の片鱗に触れることができるかもしれません👍
ではでは。